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SUPER FORMULA TECHNOLOGY LABORATORY with Team LeMans & 富士スピードウェイ その4 トップチームのファクトリー潜入! [工場見学へ行こう!]

Super Formula Technology Laboratory の記事も今回が最終回。 

ランチの後、午後の部は、今回の最大の目玉である、Team LeMan(以下、チーム・ルマン)のファクトリー見学。

富士スピードウェイからチーム・ルマンのファクトリーまでは、昼食後に各自クルマで移動。

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一見したところ、小さな町工場にしか見えないが、この中にモータースポーツの最先端の技術が。





 

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広報用のマシンが展示されているスペースで、記念撮影をしたりしながら開始時間まで待つ。





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フォーミュラマシンのコクピットからの眺めはこんな感じ。
順番待ちの行列ができていて慌てて撮ったので、逆光すみません。





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最近のフォーミュラカーの着座姿勢は、低いヒップポジションに対してモノコック先端が高くなっているために脚を高く持ち上げるような感じになり、座るというよりも寝ると言った方が近いかも。
海外のホテルとかの長く浅いバスタブに寝そべるようにして足の先を縁の高さに持ち上げるときの姿勢、こんな表現でイメージしていただけるかと。





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マシンから降りるのも一苦労。





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すぐ横にはチームの歴史の展示やグッズを扱うミュージアムショップがあり、過去に獲得したトロフィーや在籍したドライバーのレーシングスーツが飾られていたりもしていた。

ここで、今回見学の機会をくださったチーム・ルマンの紹介を少し。
御殿場市内に本拠を置くこのチームは、主に日本国内のトップフォーミュラとGTの両選手権を中心に参戦している。
'96年から数年間、X JAPAN がメインスポンサーについていたことで話題になったこともある。
過去には何度もチャンピオンを獲得しているが、ここ数年は中段に埋もれていて、名門復活を虎視眈々と狙っている。
F1 で例えると、ウィリアムズやロータス(旧ルノー)辺りのポジションのイメージか。



 

まずは、ここの見学に対しての諸注意が。
極めて高いレベルの競争に日々さらされているところなだけに、機密上写真撮影はNG。
ということで、この先の記事は文章をつらつらと、イメージできそうな拾いものの写真とともに。



 

まず案内していただいたのは、「7ポストリグ」というサスペンションの開発を行なうための大がかりな試験装置。

Image.jpg

写真はスーパーフォーミュラオフィシャルHP より
http://superformula.net/sf/apf/ap/NList02.dll/?No=NS017323 

各タイヤが受け側の柱に乗せられていて、車体は前部で1か所、後部で2か所の柱で、下向きの力をかけられるようになっている。
タイヤ4本と車体に3本の柱(ポスト)で、7ポストリグ。
レーシングマシンというのは、走行中に前方から受ける走行風の流れにより、下向きの力(ダウンフォース)で強く路面に押し付けられる。
そのダウンフォースとロール、ピッチ等の荷重を模擬しているのが車体を下方向に引っ張る3本の柱。
その状態で、路面から受ける振動を模擬して、タイヤを通じて各サスペンションに振動を与え、サスペンションの動きを解析するのがこの装置。
入力する振動は単純な周波数で与えるのではなく、各サーキットで走行したときの測定データを基に再現して与えることができ、スプリングやダンパーのセッティングに反映させるとのことだ。
サスペンションから見たら走行時と同じ状態が実際の走行なしに模擬できることで、同じコンディションを繰り返し再現したり定量的な解析をしたりするのに有効な設備だ。
ただし、加減速やコーナリング時に発生するG(加速度)は再現することができないため、ここではイニシャルセッティングまでしかできず、最終的にはレースウィークにサーキットに行って走行しながら煮詰めていくそうだ。





 

続いては、軽量なカーボンファイバー製パーツを作成するオートクレーブ。わかりやすい表現をすると圧力窯である。

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こんなイメージ。 

カーボン繊維で編んだぺランぺランのシートに樹脂を浸みこませたものを成型用の石膏の型にはめて、この窯の中で高温・高圧化で焼くと、軽量かつ頑丈なパーツとなる。
サンプルとして、GTマシン用か何かのボンネットフードと、ノベルティグッズのスマートフォン用保護ケースを持たせてもらったが、その軽さは衝撃的!
見た目の大きさと軽さの関係でイメージが近いのは、発泡スチロール。
スマートフォン用ケースなんて、手のひらに触れているのはわかるが重さを全く感じさせないほど。
それでいて極めて強靭な耐衝撃性を持っているわけなので、まさにレーシングマシンを構成するパーツにはうってつけである。





 

続いて案内された部屋では、定盤(じょうばん)と呼ばれる完全に水平を出した床の上で、マシン各部のセッティングをする作業場。
ちょうど新しいマシンの各部の調整がされているところだった。
レーシングカーというと、素人のから見れば、好きなように改造しているように見えるかもしれないが、実はレギュレーションでがんじがらめである。
特に F1 を頂点とするフォーミュラカテゴリーは、エンジンの排気量や形式はもちろん、車両のサイズやウイング等の各部寸法・位置等々、細かく厳格に管理されている。
ちょっとでもその規定範囲からはみ出たら失格となるため、各部をmm単位で細かく管理しなければならない。
外からは華やかに見える世界の裏側の、最も地味な部分のひとつだろう。





 

最後はこのファクトリー見学中の一番の見せ場、スーパーフォーミュラマシンの解体ショー。
サーキットでの走行を終えて返って来たばかりと仮定したスーパーフォーミュラマシンが広い作業エリアに置かれており、それを整備のためにばらしていくというデモンストレーション。

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写真はスーパーフォーミュラオフィシャルHP より
http://superformula.net/sf/apf/ap/NList02.dll/?No=NS017323  

作業するメカニックの方は2名。
前後ウイングを外すところから始まり、カウル、タイヤトランスミッション、エンジンと切り離していく。

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写真はスーパーフォーミュラオフィシャルHP より
http://superformula.net/sf/apf/ap/NList02.dll/?No=NS017323 
これはまだフロントウイングとエンジンカウルだけ外したところ、かな。 

最後は、コクピット周辺のメインモノコック(+フロントサスペンション)だけの状態に。
この間、わずか40分程度。
この手のマシンは、レース中に発生するかもしれないトラブルに即時対応するために作業性は市販車とは比べものにならないほどいいのは当然なのだが、その現場で実際に作業するプロの方の手際の良さも素晴らしい。
こういう作業を見ると、いつも時間に追われて忙しくしている市販車の開発現場でさえ、ゆっくり時間が流れているかのような錯覚に陥る。





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一連の開発現場の一端を見学させていただいた後、最後は同乗体験走行でドライバーを務めた平川選手とカルダレッリ選手も合流して最後の Q&A セッション
このときの注意事項として、ドライバー二人はまだ今季の契約がどうなるか正式に決まっていないので、そういう内容の質問は避けてくださいということだった。
だけどこの場で、しかもチーム・ルマンのファクトリーにまで来ているのだから...ね。
後日、予想通り、二人とも今季のスーパーフォーミュラのチーム・ルマンのドライバーとして(カルダレッリ選手は、レギュラーのロイック・デュバル選手が参戦できない第1戦と最終戦のみ代わりに出走)、正式に発表された。

私は途中の各パートの見学のときにも疑問に思ったことをいろいろと質問させていただいたのだが、やはり質問がマニアックすぎるというかエンジニア目線の鋭いところを突き過ぎているのか、「ちょっとそれは機密に関わるのでお答えできないです」という回答をいただくことが多かった。
市販車開発との比較ということで、気になることがいろいろとあったのだけど...

こうして、Super Formula Technology Laboratory は終了。
参加者の皆さんの質問が尽きず、最後は30分以上も終了予定を超えてしまうほど盛り上がった。

昨今の不況の影響もあり、国内トップカテゴリレベルのレースにまでなると、レース好きの職人さんが趣味と情熱でやるには厳しい時代となった。
今回見学させていただいたチーム・ルマンのファクトリーにしても、建屋の外観だけ見ると町工場みたいな感じだが、一歩中に足を踏み入れると、そこは1000分の1秒を争うハイレベルな戦いの最先端を争う世界だった。
貴重な見学機会を与えてくださった JRP (日本レーシングプロモーション;スーパーフォーミュラを統括する組織)と、富士スピードウェイ、チーム・ルマンの皆さんに感謝です。


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コメント 8

フェイリン

マシンに試乗出来るのは嬉しいですね。
やはり成人男性ですと乗り降りが大変なのですね。
しかしそんな体勢で運転できるなんて凄いですね…。

余談ですが、急にシトロエンを購入しました。
by フェイリン (2013-03-15 19:26) 

YAP

フェイリンさん、コメント & nice! ありがとうございます。
何度かこういう撮影用のデモカーのコクピットに座らせてもらったことはありますが、着座姿勢は昔よりもだんだん悪くなっている気がします。
空力的デザイン優先でドライバーがマシンに合わせなければならないのですが、よくまあこんな姿勢で1時間半くらいのレースを戦っていると思います。
シトロエンの話は、クルマ検討中の私からすると予断どころではないですよ。
C3あたりでしょうか?
ぜひとも記事にして紹介していただきたいところです。

tochiさん、らんぽうさん、ゆきママさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2013-03-16 06:46) 

kuwachan

確かに建屋はプレハブっぽくて町工場の雰囲気です(笑)
やはり見学に来ていらっしゃる方はYAPさんのみならずマニアックな方多かったのですね。
回答して下さる方もあまりの鋭さに内心ひやひやしていらしたのではないですか?
終了予定を30分オーバーしても対応して下さったのは参加者としては嬉しいことでしたね。
by kuwachan (2013-03-16 10:18) 

YAP

kuwachanさん、コメント & nice! ありがとうございます。
最近は日本のレースは地上波やBSでの放送がほとんどないので、実は私は参加者の中では最近の事情に疎いほうだったのではないかと思います。
技術的な質問になかなか答えてもらえなかったのは、これまで苦労して蓄積したノウハウもあってのことだろうと思います。

ソニックマイヅルさん、knackeさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2013-03-16 16:38) 

koyuki

マニアック過ぎて全然わかりませんが、なんだか夢がありますね。
町工場みたいな建物の中で、最新鋭の技術が開発されているというギャップもなんだか素敵。
今日新しい車が納車されました。
時間があれば記事にしたいと思います。
by koyuki (2013-03-16 23:14) 

YAP

koyukiさん、コメント & nice! ありがとうございます。
ついに新車購入ですか。
記事を楽しみにしています。
前のクルマ同様、長く愛着がわくといいですね。
by YAP (2013-03-17 06:16) 

リュカ

バスタブの話はとてもわかりやすかったです。
なるほどそんな感じなのかーと(笑)
その格好で運転なんですよね。なんだか不思議です。
見た目とうらはらの建物内での最先端技術。VIVA日本!って言いたくなりました(笑)
by リュカ (2013-03-17 11:28) 

YAP

リュカさん、コメント & nice! ありがとうございます。
今のフォーミュラカーの着座ポジションって、足の先の高さが肩くらいになるんですよね。
そんな姿勢で激しいドライビングをしているんですから、超人的です。

ベアトラックさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2013-03-17 16:53) 

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